2017年6月29日木曜日

NHK子ども教育番組で、カルト呪文「ひふみ祝詞」が流された

本ブログ記事の要約:日本による世界支配を預言する「日月神示」というカルト経典の呪文「ひふみ祝詞」が、公共放送の子ども教育番組で、正統な神道を偽装して、「言霊」として放送された事件について。





「にほんごであそぼ」で「ひふみうた」が流された


2017年4月。事件が表沙汰にならなければ、瑞穂の国記念小学院が開校されたであろうその月に、NHKの子ども教育番組で「ひふみうた」という歌が一ヶ月間放送されたのをご存じでしょうか。

https://web.archive.org/web/20170528131052/http://www.nhk.or.jp/kids/nihongo/song/index_73_hifumi.html
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その子ども教育番組とは、「にほんごであそぼ」。ラッキー池田による天岩戸開きの振り付けとともに、一ヶ月間放送されたそうです。
解説では「言葉ひとつひとつの音に宿っている『言霊』を感じていただけたらと思っています」。

しかし、うたの出典となっている「ひふみ祝詞」とはいったいどのようなものでしょうか。いちど、Googleで検索してみてください。
https://goo.gl/9iFksJ (NHK関連の情報は除外)

一読してわかるように、「ひふみ祝詞」は、日本の勝利を告げる戦時中のカルト預言書「日月神示」の中心教義として現在流布しているのです。この番組を見た親子が、「ひふみ祝詞」に興味を持ち、ネットや本で調べたら「日月神示」に誘導される。これは公共放送として由々しき事態ではないでしょうか。


NHK「ひふみ祝詞」の出典は「日月神示」


このように言うと、「確かに日月神示は問題があるけど、ひふみ祝詞自体は伝統ある神道のものでしょう?一緒くたにするのは良くないんじゃないの?」という批判があります。そこで「ひふみ祝詞」の由来について調べました。
まず、「ひふみ祝詞」は、確かに「日月神示」のオリジナルではありません。少なくとも、日月神示以外にいくつかの出典があります。

①江戸時代に幕府から偽書として発禁処分になった古史古伝「先代旧事本紀大成経」
②江戸時代に創作された「神代文字」の「ひふみ配列」。
③戦前のカルト「天津教」の「竹内文書」
④「竹内文書」の影響を受けて戦後創られた新興宗教「弊立神宮」の鏡石。

どこまで起源を辿っても、正統な神道には行き着きません。せいぜいカルト「日月神示」が、江戸時代のカルトを元ネタにしていたという話でしかないのです。
さらに、上記のひふみ祝詞にはない、「日月神示」版「ひふみ祝詞」の特徴があります。それは、「357」で区切られているという点です。ここでNHKのサイトをもう一度見てください。
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「357」で区切られています。NHKの「ひふみ祝詞」は「日月神示」が出典である事は確定しました。


預言書「日月神示」が預言する、日本による世界支配


さて、預言書「日月神示」とはどのようなものでしょうか。

Wikipedia- 日月神示 https://goo.gl/5N8RLf

日本の敗色が濃厚になった1944年から、千葉県の麻賀多神社で、岡本天明なる人物に国常立尊(くにのとこたちのみこと 大本教の主神)が降りて自動書記された預言書と言われています。自動書記とはいわば「こっくりさん」のようなもので、数字と記号だけで書かれたもので、最初は誰も読み解くことができなかったが、それが次第に解読され、日本語化されました(これを「ひふみ神示」という)。岡本天明は後に「ひかり教会」なる宗教法人を設立し(現在は「至恩郷」)、「日月神示」の普及活動をしていたようです。

「日月神示」の内容は霊界のことなど含めて多岐にわたるが、要約するならば、「日本は一度戦争にほとんど負けて滅亡寸前になるが、日本は復活し世界を支配する」というものです。

次の時代は次は日本の時代が来るというのです。日本が中心となって世界を治めると書いてあります。日本のてんし様、すなわちスメラミコトが世界を平和に治めるというシナリオがあるのです。https://goo.gl/rhM8TA

少なくとも、現在はこのような解釈が支配的です。というのは、ほとんど無名の存在であった「日月神示」を広めたのが、上のインタビューの話者である中矢伸一という人物であり、それをプロデュースし広めたのが船井総研の船井幸雄だからです。

船井総研は「脳内革命」やEM菌、「水からの伝言」といった偽科学を寄せ集めプロデュースし普及する、いわば「オカルトの総本山」であることは周知の通りです。その船井幸雄が、「ひふみのりとについて」というタイトルのブログの中で、次のように述べています。

「ひふみ祝詞」こそが日月神示の核心的部分であり、極端に言えば、これだけ肚(はら)に入れればあとは要らないというくらい、大宇宙のすべての真理が含まれている究極の言霊と私は思っている。

いわば「船井カルト」とでも言うべき信念体系の中で、「日月神示」は特権的な地位を占めており、「ひふみ祝詞」はその中心的な教義だと思われます。船井幸夫の死後、息子の勝仁が受け継いだこの「船井カルト」が、NHKの子ども教育番組にまで影響力を及ぼしているのです。

日本による世界支配を預言する「日月神示」なるカルト経典の呪文が、公共放送の子ども教育番組で、正統な神道を偽装して、「言霊」として放送されている
これは、たとえて言うなれば、NHK「みんなの歌」に「麻原彰晃の歌」が流され、その歌自体がオウム真理教的には呪文がかけられている、という事態と、どれほど違うのでしょうか

だとすれば、それは誰の手によるものでしょうか?NHK内部の人間によるものか、それか外部からの圧力なのでしょうか。
さらなるメディアや国会議員による情報提供や追求を期待します。

NHK子ども教育番組で、カルト呪文「ひふみ祝詞」が流された

本ブログ記事の要約:日本による世界支配を預言する「日月神示」というカルト経典の呪文「ひふみ祝詞」が、公共放送の子ども教育番組で、正統な神道を偽装して、「言霊」として放送された事件について。 「にほんごであそぼ」で「ひふみうた」が流された 2017年4月。事件が表...